妖夢ちゃんごはん日記 2015年12月まとめです

2015/12/01
二年目282



「妖夢妖夢!」
「な、なんですか」

 どたどたと幽々子様が部屋まで走ってきました。
 何事かと心配になりました。

「人里のあそこの栗もなかが特売してるわよ!」
「なんですって!」

 急いで買いに行きました。

 本日のおやつ
 ・栗もなか

「……」
「……」
「……ゆ、幽々子様、本当に安売りをしていました」
「うん……」
「申し訳ございません」
「いいのよ、安く買えたんだもの。それが一個だって」

 そう、最後の一個だったのです。
 私は決死の覚悟で口を開きました。

「……た、食べていいですよ……」
「よ、妖夢!」

 幽々子様は涙を流していました。

「貴方って娘は……」
「いいんです、幽々子様が美味しいと言ってくれれば……」
「ありがとう妖夢。美味しくいただ」
「二人共栗もなか買ってきたよー」

 Y子さんが天使に見えました。
 こうして幽々子様と私はお腹いっぱいの栗もなかを食べることが出来ました。
 幸せでした。
 決死の覚悟はするもんじゃないです。
 

2015/12/02
二年目283


「おほほ……」

 久しぶりに紫様が来ました。
 少しだけ元気がありませんでした。

 本日のおやつ
 ・キットカット

「この間食べたチョコウエハースより美味しいです!」
「でしょ。おほほ……」

 そういえば、と思いました。

「あの、もしかして」
「うん……今夜眠るから幽々子のことよろしくね……」
「もちろんです!」
「ふわあ、じゃあまた来年」
「おやすみなさい!」

 紫様が幽々子様のもとへ向かって行きました。
 これはあれです。今日は外食です。
 私達従者は主人の為に気を使うのです。

 ということで行ってきます。
 今日は何を食べるのでしょうか。
 楽しみです。じゅるる。

 






2015/12/03
二年目284


 本日のメニュー
 ・トマトパン
 ・スクランブルエッグ
 ・ベーコンとほうれん草のソテー
 ・ブロッコリーサラダ


「なんですかこれ最高にいい匂いがします」
「妖夢、これすごくいい匂いするわね」
「最高ですね」
「すごくいいわね」

 なぞのパンが出てきました。
 見た目は普通のコッペパンなのですが
 切れ目から赤い生地がこんにちはしてます。

「妖夢、食べてみてよ」

 幽々子様があいかわらず未知のものは最初に私に食べさせます。
 ごくりとつばを飲み一口かじりました。

「さくさく中はもっりちチーズインしてるのでコクもあり
 こいつはうまいです!」
「ほんとだ、さくさくー」
「この赤いものの正体はなんなんですか?!」
「きっとトマトね」
「幽々子様正解」

 さすがは幽々子様です。
 まさかトマトにパンが入ってるとは
 間違いましたパンにトマトが入ってるとは思わなかったです。
 こんなに美味しいならいちご大福ならぬトマト大福も美味しいかもしれません。
 こんどY子さんにリクエストしないといけません。
 楽しみです。





2015/12/04
二年目285


 本日のおやつ
 ・バナナミルク
 ・キウイミルク

「Y子さん、私はね」
「なんでしょうか幽々子様」
「フルーツとミルクの組み合わせは凄くいいと思うの」
「同感です」
「そして今日のキウイミルク」
「はい」
「最高」
「よっしゃあ!」

 Y子さんはガッツポーズをとっていました。
 確かにキウイミルクはつぶつぶもミルクと組み合わさってとてもミルキーでした。

「ですが幽々子様、私はやはりバナナミルクが最高です」
「妖夢は世界が小さいわねえ」
「む」
「私みたいにグローバルに生きなさい」
「むむ」

 グローバルがどういう意味かわかりませんでしたが
 そういう風に生きたいと思いました。
 半分ですけど。




2015/12/05
二年目286


「うむむ」

 おだいどこでうなりました。
 ケーキを作ろうとしているのです。
 
「Y子さん、レシピを読んでもわかりません」
「やる気よ」

 ちょっと良くわかりませんでした。
 Y子さんは従者部屋でおせんべいをかじりながら適当に返事をしていました。

「Y子さん、ちょっと休憩します」
「さっきから休憩してばっかりねえ妖夢ちゃん」

 本日のおやつ
 ・しょうゆせんべい
 ・のりせんべい

「ばりぼりぼりぼり」
「ばりばりばりぼり」

 クリスマスに間に合いますかね
 妖夢ちゃん次第よ、と会話しました。

「まず最初は自分で作らないと具合がわからないでしょ」
「そうは言いますがあんまりにもお料理特有の言葉がわかりません」
「妖夢ちゃん」
「はい」
「私はいまだらだらしているの」
「はい」
「また今度ねぐう」

 寝てしまいました。
 Y子さんは普段きちきちですがダレる時はきちんとダレます。
 これぞ大人の女です。
 ケーキつくりは諦めました。
 また今度Y子さんのやる気があるときに挑戦します。
 クリスマスまでもうちょっとです。



2015/12/06
二年目287


 本日のおやつ
 ・トマト大福

「ま、まさか本当に……」
「妖夢の提案が採用されるなんてねえ」

 言ってみるものです。*1
 普通の大福の二倍くらいあるのは置いといて素晴らしいおやつです。

「いただきましょう!」
「私普通のいちご大福がいいなあ」
「幽々子様ぜいたくですよ!」

 別にトマトがいちごの劣化とはいいませんが。

「いただきマンモス!」
「マンモスー……」

 乗り気じゃない幽々子様ですが
 一緒にかじりました。

「……イマイチですねえ」
「あら割と美味しいわねえ」

 意見が割れました。
 正直いちご大福の方がいいです。
 トマトとあんこは相性がよくありません。
 水っぽくなってしまいます。

「妖夢、いらないならちょうだい」
「……いいですよ」

 思いつきはそこまで良くないということがわかりました。
 物事は考えてから発言した方がいいです。
 とても身にしみました。

*1 2015/12/03 妖夢ちゃんごはん日記284



2015/12/07
二年目288


「幽々子様、どう思います?」
「偽物ね」

 偽物のおやつでした。

 本日のおやつ
 ・チョコカステラ

「偽物ですけど美味しいです」
「偽物なのにね」

 カステラとはあの黄色いやつです。
 でもこれは茶色いです。
 偽物です。
 
「偽物は牛乳に合いますね」
「本物も合うけどね」
「偽物のわりには」
「そうね、わりには」

「二人共、文句あるの?」

「とんでもない」
「とんでもない」

 Y子さんがちょっと怒っていました。
 偽物偽物言い過ぎるのはいけません。
 美味しいのに変わりないのですから。

「明日の朝ごはんはチョコクロワッサンね」
「偽物ね」
「偽物ですね」

 でもやっぱり偽物は偽物です。



2015/12/08
二年目289


 本日のメニュー
 ・里芋の煮物
 ・クリームシチュー

「なんですかこの組み合わせ」
「余ってるもの使った」

 カセさんとのごはんです。
 幽々子様とY子さんはあいもかわらずパーマ屋さんに行ってて不在です。
 あの二人は髪を切りに行きすぎです。

「カセさんの料理はなんというか」
「なに?」
「とてもキレの良い味です」
「よくわかんないけどありがとう」

 カセさんは少し照れていました。
 可愛いです。

「最近修行の調子は?」
「ぼちぼちです」
「あの、花屋さんとの勝負は?」
「美鈴さんは別に花屋さんじゃないですよ」
「そうなんだ。花屋さんじゃなかったんだ」
「綺麗ですけどねあの館」

 紅魔館は悪魔の館です。
 決して花屋さんではありません。
 勘違いはいけません。
 主人が怒ります。
 カセさんの誤解が解けてよかったです。





2015/12/09
二年目290


 晩ごはんの出来事です。

 本日のメニュー
 ・肉じゃが
 ・だし巻き卵
 ・わかめの味噌汁

「肉じゃがってなんでこんなに美味しいのでしょう」
「妖夢、それは簡単よ」
「何ですって幽々子様、教えてください」
「妖夢、まずは自分で考えてからよ」
「うーん、じゃあまずどうすればいいですかね」
「肉じゃがをまず何かに例えてみて」
「じゃあ肉じゃがを桜に例えます」
「桜は綺麗よね」
「そうですね、それに桜は見ながらお酒を飲むととても美味しいです」
「そうねえ、花見酒は最高よ」
「そういえば今年は謎の食べ物を食べました。名前は忘れましたが」*1
「お花見はみんなうちに来るからおみやげもいっぱい貰えるもんね」
「幽々子様、その言い方だとうちにはお花見以外人が来ないみたいですよ」
「それでいいのよ、冥界に用があるなんてお花見の時だけでいいのよ」
「そういうものですか」
「そういうものよ」
「おいしかったですね」
「ええ、やっぱりY子さんの良さは和食で出るわね」
「二人共、いいですか」
「なんでしょうY子さん」
「なにY子さん」
「見失ってますけど」
「何が?」
「何ですか?」
「……え、えーと何でもないです」

 こうやって文字に書くと思い出せます。
 結局肉じゃががなんで美味しいかわかりませんでした。
 でも良いのです。
 美味しいものを食べてる時は幸せなんですから。

*1 2015/04/18 2015/04/19 妖夢ちゃんごはん日記57







2015/12/10
二年目291


「あ」
「やっぱり来ると思ったわ!」
「今泉さんこそ」

 本日はお肉屋さんの唐揚げフェアの日です。

 本日のおやつ
 ・王様唐揚げ

「王様唐揚げです今泉さん!」
「もぐもぐ……」

 今泉さんはもはや会話に参加するつもりは無いようでした。
 王様唐揚げは一個が私の顔くらいある唐揚げです。
 この大きさの割にはすごくお値段が安いので最高のおやつになります。

「揚げたてだから持つのすらムズカシイですね。あちち」
「さくさく」
「こしょうが効いてて体もあったまりますね。それに凄くジューシーです」
「ばくばく」
「私も食べます」
「もしゃもしゃ」
「もにゅもにゅ」

 もぐもぐ会話をしながら二人で食べ終えました。
 今泉さんは一個持ち帰っていました。
 さすがお肉好きです。
 

 ……うーん私も持って帰ればよかったです。





2015/12/11
二年目292


「あ、なんでしたっけこれ!」
「妖夢、このメニューの名前を晩ごはん終わるまでに思い出せなければ罰ゲームね」
「え、えー」

 勝負の晩ごはんが始まりました。
 
「いつ頃食べましたっけ」
「春くらいだったじゃなかったっけ。いつだっけY子さん」
「うーん確かお花見の少し後だったかと」
「だって」
「うーん。もにゅもにゅ」

 とても美味しいです。
 とても美味しいのに思い出しません。
 おうどんみたいで野菜がいっぱい入っている
 とろとろのたれのこれです。
 全然思い出せません。

「あ、コーンコロッケ一個余ってますよ」
「欲しい人」

 もちろん私もY子さんも幽々子様もカセさんも手を上げました。

「じゃんけーん」

 幽々子様が勝ちました。
 相変わらずおかずがかかると強いです。

「いいでしょ妖夢コーンコロッケ」
「自慢気に見せつけないで下さい」
「じゃんけん強いでしょわたし」
「はい、おかずがかかると特に」
「うふふ、じゃんけんチャンピオンよ」
「はいはい、幽々子様はじゃんけんチャンピオンです」
「カセさん、妖夢がなんか流して反応してくるー」
「流石ですね。ねえ妖夢ちゃん」
「なんですか?」
「本当にそこんとこ妖夢ちゃんだよね」
「はい?」

 全く気付きませんでした。
 そして罰ゲームが決まってしまいました。

「じゃあ罰ゲームは明日なんかやってもらおっと」
「ぐぬぬ、正解はなんでしたっけ」
「ヒントも出したのに」
「え?」

 本日のメニュー
 ・ちゃんぽん
 ・コーンコロッケ
 ・レタスサラダ

 チャンピオンはヒントでした。
 やっぱり全く気付きませんた。
 ヒントはもっと露骨に欲しいです!






2015/12/12
二年目293


「はほはほ」
「ほへははは」

 たこ焼きでした。

 本日のメニュー
 ・たこ焼き
 ・ネギたこ焼き
 ・タルタルたこ焼き
 ・からしたこ焼き

「はほはっほは」
「ほほへ」

 私はタルタルたこ焼きが好きです。

「ほほへははふっはは」
「ははふへふ」

 私は子供舌じゃあありません。

「はへほっへ」
「へひほはふへふへ」

 ネギのやつはカセさんが気に入っていました。
 マヨネーズをいっぱいかけていました。

「ほうふ」
「はひ」
「もう口の中何も入ってないでしょ」
「あ、そうでした」

 いろんな味があるととても楽しいです。
 たまにはこういう晩ごはんも良いです。


2015/12/13
二年目294


「ううさぶさぶ……あ」
「ようむー」

 起きる時間まではあとすこし。
 お手洗いに行き戻るとお布団に幽々子様が居ました。
 布団をめくってぽんぽんしてます。

「はいはい」
「ああ生身の妖夢はあったかいわねえ」
「幽々子様くっつきすぎです」
「何か悪いことでも?」
「特に無いですが寝づらいです」
「ぐう」

 幽々子様はすっかり寝ていました。
 勝手な主人です。

 本日のメニュー
 ・トースト
 ・トマト
 ・ウインナ
 ・うで玉子

「Y子さん聞いて下さい」
「どうしたの朝から」
「朝から幽々子様が」
「Y子さんトーストお代わりある?」
「ありますよー」

 幽々子様に邪魔をされました。

「カセさん聞いて下さい幽々子様が」
「カセさんウインナあげる」
「有難うございます」

 カセさんはウインナに夢中で話を聞いてくれませんでした。
 
「妖夢」
「はい」
「恥ずかしいから言わないで」
 
 だから日記に書きました。
 誰にも言えない主人の秘密です。






2015/12/14
二年目295


 本日のおやつ
 ・チョコバット

「幽々子様、お菓子をもらいました」
「あらなにこれ。誰から貰ったの?」
「寺子屋の慧音先生からです。教え子から貰ったのが食べきれないと」

 チョコバットは四本あります。
 これをどう分けるかは難問です。

「妖夢、こういうお菓子はY子さん嫌いよね」
「駄菓子屋の駄菓子はみょんに毛嫌いしてますね」
「Y子さんには内緒ね」
「はい」

 協定を結びました。

「カセさんはどうしましょうか」
「カセさんね……今何してるかしら」
「この時間ですから……晩ごはん前の腹筋でしょうか」
「ふむ……そんな時にお菓子を薦められないわね」
「じゃあ二人で」
「そうね」

 ということでチョコバットを食べました。
 なんかパサパサしてました。
 でも癖になる味です。
 寺子屋の子どもたちはこんなお菓子をいっぱい食べてるんだろうなあ。
 いいなあ。



2015/12/15
二年目296


「あれ」

 なんか居ました。

「あの、美鈴さんは」
「オフ」

 オフだそうです。
 オフがあるとは知りませんでした。
 そういう時は主でも門番をするんですね。
 勉強になります。

 本日のおやつ
 ・栗ようかん

「おい半霊」
「なんでしょうもぐもぐ」
「うまいか」
「はい」
「なんでこのおやつだと思う?」
「どういうことですか?」
「紅い洋館だからようかんだ。くくく」

 つまらなかったです。
 美鈴さんと戦いたかったですけどレミリアとパラソルの下で
 漫画を読む一日でした。
 面白かったですが修行ははかどりませんでした。





2015/12/16
二年目297


 本日の秘密のおやつ
 ・バタークッキー

「初めに言っとくよ妖夢ちゃん」
「はいカセさん」
「このお菓子はカロリーがあれだから」
「あれですか」
「内緒ね」
「内緒ですね」

 カセさんの部屋に遊びに行きました。
 そうしたらなんかすごく美味しそうなお菓子が有りました。

「それじゃあ頂きましょうかフミ」
「うまー!」
「遠慮が無い」
「ですね」

 フミタさんはそれはもう怒涛な食べっぷりでした。
 太る気などみじんも気にしていなそうです。

「あれなお菓子は美味しいですね」
「カセさんの分も食べるよ」
「ちょっとフミタ」
「いいじゃん」

 フミタさんはきゃしゃの割によく食べます。
 明日きっと後悔するに違いないです。
 私の分も食べた恨みは忘れません。



2015/12/17
二年目298


 本日の秘密のおやつ
 ・こんにゃくゼリー(グレープ)
 ・こんにゃくゼリー(青りんご)

 ということでカセさんとフミタさんの部屋に来ました。
 秘密のおやつ会です。

「こんにゃくゼリーはカロリーがなくていいんですよね」
「妖夢ちゃんの数少ない知識ひろう会だね」(ひろうの漢字がわかりませんでした)
「あはは、妖夢ちゃん体重とか気にしてんの?」

 フミタさんが笑っていました。
 体の細い人にはわからないんです。

「妖夢ちゃん、そんな細くなってどうするの」
「だって今ぷにぷにですし……」
「その方がいいでしょ。筋肉は柔らかい方がいいし」
「そうですけど……」
「第一お肉がないと筋肉つかないでしょ。妖夢ちゃんどうなりたいの」
「強くないたいです」
「じゃあもっと太らないとねえ。ねえカセさん」
「うん、そうだね。妖夢ちゃんは気にしすぎ」
「カセさんもそう思ってたのですか…… でもカセさんもフミタさんも細いです」
「それは私たちは強くなくていいから」
「あれ、カセさんは腹筋とかしてますよね」
「まあ最低限は」
「カセさんはほら、ね、男ウケとか気にしてるから」
「フミタ」
「え、え、なんですかそういう話ですか!」

 カセさんはモテそうです。
 背も高いし細いしおっぱいは小さいけど守ってあげたくなります。
 その後も女子トークを続けました。
 これで私も二人のように女っぽくなるっていう寸法です。

 ……効果があるのかはわかりません。






2015/12/18
二年目299


 本日のメニュー
 ・とんかつのの玉子煮
 ・れんこんの甘辛煮
 ・焼きちくわ

「Y子さん、いつも思ってたんだけど」
「何ですか?」
「とんかつの玉子煮をごはんに乗せたらかつ丼にならないのかしら」
「ふう」

 Y子さんはお箸を置いて一息つきました。

「幽々子様、私のかつ丼の特徴はわかりますか?」
「さくさくのとんかつを無駄にするくらい特製のたれをかけて玉ねぎと長ねぎの
 二種類を使い卵を一人あたり二つ、それを白身を目立たせる用とふわふわ用の二つに分けて
 味も食感も楽しませるという食べる人の事を愛していないと作れないかつ丼ね」
「そうです。だけどとんかつの玉子煮は違います。
 ふだんのかつ丼用のかつよりも揚げ時間を短くします。
 そうすることによって似ている最中に肉汁が多く出るんです。
 なのでそれをのせてもかつ丼にはなりません。とんかつの玉子煮ごはんのせです」
「なるほどね」

「あ、あの幽々子様、Y子さん」
「なに妖夢」
「二人共少し気持ち悪いです」
「私とY子さんも自覚しているわ」

 なにかみょんな空気の食事でした。
 理由はわかりません。







2015/12/19
二年目300


「ふむ」

 気付いたら年末です。
 昨年の年末は何をしていたでしょうか。
 最近はどうにも修行にも身が入らず(寒いからです)
 なにがというわけではありませんが、どうもじれったい気分です。

「よっすー」

 とむにゃむにゃ考え事をしていたらフミタさんが来ました。

 本日の秘密のおやつ
 ・たまごボーロ

「牛乳も持ってきたよん」
「流石すぎます。たまごボーロと牛乳はセットじゃないといけません」

 たまごボーロはとても良いです。
 ぽそぽそやりながらお話ができるいい肴です。牛乳の。

「ということを思っていまして」
「あはは、でもどうせ妖夢ちゃんのことだから去年のことなんて忘れてるでしょ」
「む、そんなことありませんよ。じゃん」
「なにそれ」
「日記です。ちょっと前からつけているんです」
「え、ちょっと前って三日前くらい?」
「そんなわけないじゃないですか!」

 フミタさんはからから笑っていました。

「去年の今日は何をしていたみてみましょう」
「く、くくく。妖夢ちゃんなんで表紙に『この日記は秘密。内緒。絶対に勝手に読まないで下さい』
 って書いてあるの」
「見られたらまずいからです」
「そんなの書いてあったら余計に読みたくなっちゃうよ」
「まじですか」

 ともあれ見返すことにしました。
 
「あ、ああ! 魔理沙が犬を連れてきたんです。この時はまだ子犬だったんだよなあ」*1
「へえ。今度来たら教えてよ」
「もちです。凄く可愛いんですよ。ああペット飼いたいなあ」
「駄目でしょ生き物は」
「わかってるから飼いたいんです!」

 ペットが飼いたくなった一日です。
 じれったい気分なんてとうにふっとんでいました。



*1 2014/12/19 妖夢ちゃんごはん日記300




2015/12/20
二年目301


 眠いです。
 さっきのことです。

「妖夢ちゃん、今度何食べたい?」
「今度っていつです?」
「忘年会の前」
「なるほど」

 年末の忘年会の前には従者お疲れ様会があります。
 その時のことでしょう。

「なんかもう、体に悪そうなものが良いです」
「私の信念からすると反逆者ね」
「はい」
「ま、年末だしね、よし、こてっこての作るかー」
「わあい」

 お疲れ様会は期待です!

 本日のメニュー
 ・ばーにゃかうだ
 ・バケット
 ・トマトオニオンスープ

「Y子さんだからって」
「ん?」
「野菜まみれです」

 野菜まみれでした。

「なによY子さん、今日が野菜だらけなのは理由があるの?」
「従者お疲れ様会で妖夢ちゃんが体に悪そうなのが食べたいと言ったので」
「え、えー良いなあ」
「幽々子様はその日、是非曲直庁に行く日ですよ」
「あ、ずるいわ私が居ない間に皆で楽しくするの、ずるいわずるいわ」
「でも幽々子様、いつものその日は皆の自由にしていいって従者に暇を与えていただけるじゃないですか」
「む、言ったけどー」

 幽々子様はY子さんにたじたじでした。

「大丈夫ですよ幽々子様」
「あ、妖夢。妖夢は私を置いて遊んだりしないわよね」
「幽々子様の分も楽しみますから」

 ということで幽々子様を慰めるのに今までかかりました。
 もう日が変わります。眠いです。
 おやすみなさい。









2015/12/21
二年目302


 美鈴さんに会いに行きました。
 この前はオフだったので今日はいると良いのですが。*1
 
「あれ」

 居ませんでした。

 本日のおやつ
 ・コアラのマーチ

「いっこあげる」
「ありがとうございます」

 今日は妹が居ました。
 時たま外に出る吸血鬼姉妹です。

「今日美鈴さんは」
「オフ」
「休みが多い門番ですね!」

 今まで会えていたのは割りと偶然だったのかもしれません。

「このお菓子美味しいです。かわいいし」
「あげないよ」
「ちょっと」
「あげない」

 なんか怖かったのでこそこそと退散しました。
 幽々子様もあの妹は危険だと言っていたので正解でしょう。
 それにしても美鈴さんと会えません。
 何をしているのでしょうか。




*1 2015/12/15 妖夢ちゃんごはん日記二年目296






2015/12/22
二年目303


 従者会議まであと二日です。
 今年はクリスマスの日にあります。
 でも私はその前にやり遂げておきたいことがあるのです。

 本日のおやつ
 ・シフォンケーキ

「ケーキ作りたいです、と妖夢ちゃんが言ってから
 結構たちました」
「はい」
「練習何回した?」
「一回も」
「それは駄目ね」
「すみませんY子さん」

 怒られました。
 ですが理由があるのです。

「ですがY子さん私も修行や幽々子様のおつきで」
「時間を言い訳にするなら私はもう手伝わないわよ」

 何も言えませんでした。

「……あの、明日私が作ります。だから今日は最後に一度だけ手本を見せて下さい」
「大丈夫? 最後だよ?」
「はい!」

 ということでY子さんのシフォンケーキを頂きました。
 ふわふわでほんのり甘くてクリームがなくても最高です。
 ホットミルクと一緒に食べましたがあれは魔物です。
 魔界に住み着くシフォンケーキです。

 よくわかりませんが明日頑張ります。


2015/12/23
二年目304


 本日のおやつ
 ・卵多めシフォンケーキ

「Y子さん、卵を多めに使いました。なぜなら美味しそうだからです」
「アレンジするほど作り慣れてる気はしないけどいい香りね」

 褒められました。
 これは明日の本番でも問題無さそうです。

「うん、美味しい。これなら大丈夫かも」
「やりました!」
「ただ」
「ただ、はい」
「見た目が汚い」
「不器用なもので。なぜでしょう」

 見た目はうまくいきません。
 なぜでしょうか。
 私の庭の剪定技術は問題ないはずです。

「こればっかりはねえ。センス? カセさんどう思う?」

 気付いたら後ろでカセさんが私達の様子をうかがっていました。

「うーん、なんというか、想像力」
「想像力ですか」
「あと設計力」
「料理の話ですよね」

 カセさんは裁縫なども得意です。
 なんとなく通ずるものがあるのでしょうか。
 
 ともあれ明日は従者お疲れ様会です。
 明日は皆にケーキを提供するため頑張ります。
 おやすみなさい!





2015/12/24
二年目305


 本日のおやつ
 ・頑張ったシフォンケーキ

「どうでしょう」

 場に沈黙が流れました。
 従者お疲れ様会です。
 
 今日のメインおやつです。
 私の手作りです。

「変な見た目」
「おもしろい匂い」
「黄色すぎない?」

 皆さん言い過ぎです。
 酔っ払っているから言いたい放題です。
 
「美味しいですか皆さん」
「甘い」
「甘すぎ」
「酒と合わない」
「お代わりないの?」

 やっぱり言いたい放題です。
 でも好評っぽいです。

「Y子さん」
「うん、及第点」
「よしっ!」

 良かったです。
 ただ不安なのはY子さんが結構酔ってたのです。
 明日覚えているかどうか……






2015/12/25
2015/12/26
二年目306


 クリスマスパーティです!
 
 本日のメニュー(書ききれないです)
 おにく部門
 ・ローストビーフ
 ・ローストポーク
 ・からみ唐揚げ
 ・フライドチキン
 ・チキンカレーパン
 やさい部門
 ・フライドポテト
 ・冷やしトマト
 ・ツナサラダ(藍さんから)
 おさかな部門
 ・赤だし
 ・うなぎの茶碗蒸し
 その他部門
 ・昨日のシフォンケーキ
 ・レモンケーキ

 紫様、藍さん、橙ちゃん
 あとはまたなんと閻魔様と小町さんも来ました。
 去年に引き続きの参戦です。
 幽々子様と紫様は閻魔様を敬遠していますが
 お酒が入るとまったくそんな気がしません。
 
「ちょっと、これ」
「あーこれ」
「これいいですね」

 お三方が小町さんの胸を揉みしだいてる時の会話です。
 非常にばかみたいです。
 いつも頭の良い人は一度ふっきれるととたんにばかみたいになります。

「妖夢ちょっとこっち」
「あーこれは」
「いまいち」
「いまいち」
「いまいち」

 セクハラを受けていまいち扱いです。
 許しません。
 今年のクリスマスは忘れない日になりました。



2015/12/27
二年目307


 腰が痛いです。
 足も手も痛いです。
 大掃除でした。

 本日のメニュー
 ・玉子のサンドウィッチ
 ・ハムレタスのサンドウィッチ

「こういうお昼ごはんは安らぎが得られますね」
「妖夢ちゃん、食べたら居間もやるよ」
「はい……」

 大掃除はカセさんの目が怖いです。
 ぎんぎんしてます。
 血走ってもいます。

「カセさん、食後の甘いコーヒーは」
「いらない、妖夢ちゃんも少し落ち着いたら早く来てね」
「はい……」

 年末は忙しいです。
 落ち着くまでもう少しです。
 頑張ります。




2015/12/28
二年目308


「ずずずぞ」

 朝のおみそ汁は一日の元気の源です。
 特にこういう寒い日が続くとその美味しさは格別です。

 本日のメニュー
 ・ほうれん草入り玉子焼き
 ・お豆腐とあぶらげと長ねぎのみそしる
 ・揚げ出しなす
 ・ポテトサラダ

「こんな朝ごはんが食べられて私は幸せです」
「何急に妖夢ちゃん」
「幽々子様、そう思いませんか」
「面倒な妖夢が出たわねえ」

 面倒な妖夢が出たそうです。
 ちょっと良くわからないです。

「妖夢はたまに面倒になるわね」
「それは、あ、何でもないです」
「なに、何よ妖夢、途中でやめるなんて失礼よ」
「な、なんでもないです」
「妖夢」
「……しゅ」
「しゅ?」
「主人に似るものなのかと」
「……」
「……」
「Y子さん」
「はい」
「私たまに面倒?」
「……カセさんに聞いて下さい」
「カセさん」
「まあたまに」

 これを言えるのはカセさんだけです。
 静かな食卓になりました。
 でもお昼ごはんの時には元通りでした。
 忘れっぽい幽々子様です。








2015/12/29
二年目309


「カセさんしか居ないんです……」
「わ、びっくりした」

 カセさんの部屋になだれ込みました。
 カセさんしかいなかったんです。

 本日の秘密のおやつ
 ・酢昆布

「私はどうせ酢昆布が似合う女です……」
「どしたのよ。なんとなくわかるけど」
「太りました」
「だろうね」

 年末だからって食べ過ぎました。
 いけません。
 これからお正月前後に更に美味しいご飯が出続けるのに。

「運動はしてるんですが」
「単に食べ過ぎなんじゃない。それか筋肉がついたとか」
「そうですかねえ」
「じゃああれやる?」
「なんです?」
「トマトダイエット」

 ということで毎日晩ごはんを減らしてトマトを二つ食べる事にしました。
 とりあえず一週間、一週間後が楽しみです。





2015/12/30
二年目310


 年末です。
 そろそろひきつむりになる季節です。*1
 (もちろん修行はかかしません)

 本日のおやつ
 ・みかん

「手が黄色くなってきました幽々子様」
「……私が仕事してる間ずっと食べてたの?」
「二回くらいお手洗い行きました」
「そう」

 呆れていました。
 みかんが美味しいのが悪いです。
 
「妖夢、修行は終わったの」
「今日の分は」
「カセさんの手伝いは?」
「午前中に」
「Y子さんの手伝いは?」
「みかんを食べる前には終わらせました」
「ならいいか。年末だもんね」

 でもお許しが出ました。
 こういう日って幸せだと思います。
 幽々子様と今年を振り返りました。
 なんかいろいろあった一年だった気がします。
 来年は自機になれと幽々子様に言われました。
 なのでそれが来年の目標です。
 

 ……ところで自機って何の自機でしょう。

*1 2014/12/06 妖夢ちゃんごはん日記287


2015/12/31
2016/01/01
二年目311


 気持ちが悪いです。

 本日のメニュー(覚えてる限り)
 ・天ぷら(海老、ししとう、まいたけ、さつまいも、玉ねぎ)
 ・かまぼこのきゅうり巻き
 ・だて巻き
 ・筑前煮
 ・栗きんとん
 ・黒豆
 ・こぶまき
 ・数の子
 ・とうふハンバーグ
 ・いんげんサラダ
 ・舟盛り
 ・チャーシュー
 
 ・お酒(いっぱい)
 ・年越しそば

「面倒だから、年末の宴会と年始の宴会を一緒にやっちゃいましょう」

 ということで、31日のお昼から先ほどまでお酒を飲んでいました。
 幽々子様が考えることは規格外です。

「妖夢、栗きんとんをどっさり食べなさい、あとお酒も」
「はい、もういっぱい食べてます」
「栗きんとんは勝負に強くなるのよ。来年も強くなりなさい」
「幽々子様、もう今年では」
「そうだったわね、うふふ」

 幽々子様もだいぶ酔っ払っていました。
 何しろ今日は紫様や藍さんももちろん、伊吹の鬼や
 山の天狗、紅魔館と命蓮寺の人たちも来ていたのです。

「あなた達の寺はお酒禁止では?」
「聖がほら」

 船幽霊の指差す先にはぐでんぐでんに酔っ払ってる和尚さんと紫様が居ました。
 紫様は普段嫌ってる人ほどお酒を飲ませる習性があるようです。

「とんてててん」
「あ、こころちゃんですよ幽々子様!」

 幽々子様とカセさんにもみくちゃにされるこころちゃんも見ました。
 ですがその頃からでしょうか、記憶がありません。
 気付いたら布団の上でレミリアと半裸で抱き合って寝ていました。
 この謎は明日解けるでしょう。
 幽々子様はほとんど記憶をなくさない方です。
 
 それにしても今年が始まりました。
 また目標をたてて、目指して頑張っていきましょう。