妖夢ちゃんごはん日記 2015年10月まとめです

2015/10/01
二年目221


 ずぞぞぞぞ。
 ずぞぞぞぞ。
 面をそそる音が響きます。

 本日のメニュー
 ・ざるそば

 一人のお昼ごはんでした。
 行きつけの定食屋の一番安いメニューです。
 なんと、定食屋の主人が融通を聞かせてくれたのです。

「ざるそば下さい」
「あーごめんね、今日からもうやってないんだよ」
「え?!」
「もう十月だからね。かけそばならあるけど……」
「そ、そうですか……じゃあかけそばで」
「と思ったけど、今日は他に客も居ないしざるそばやっちゃうか」
「いいんですか?!」
「いいよいいよ。お嬢ちゃんよく来てくれるし」

 気付いたら常連になっていました。
 そしてこんな融通を聞いてもらうほどいいお客になっていました。

「もう秋ですねえ……」

 ざるそばをすすりながらそう思いました。
 もう風が冷たくなってきます。
 寂しさの秋です。
 色々と準備しなくてはいけません。
 


2015/10/02
二年目222


「暑いじゃないですか」

 カセさんが怒っていました。
 怒りながらクリームシチューをすすっていました。

 本日のメニュー
 ・クリームシチュー
 ・マカロニサラダ 
 ・ロールパン

「カセさん、何を怒っているの?」

 怒っているカセさんに恐る恐る幽々子様が訪ねていました。
 こういう時幽々子様は結構主人ぽくないです。
 それほどカセさんやY子さんはこの白玉楼で重要なポジションに
 居るということがわかります。

「もう十月に入ったので衣替えしようと思ったんですが」
「そろそろそんな季節ねえ」
「暑いじゃないですか。カセさんも勘違いしてシチューとか作っちゃいますし」

 なぜかY子さんも責められていました。
 こんなにぶーたれてるカセさんは珍しいです。

「今日は衣替えの為に早く起きたんですよ」
「苦労したのねえ」
「それに昨日は衣替えの為にお風呂で丹念に体を清めたんですよ」
「うんうん」
「それに衣替えの為に寝る前、部屋で香を焚いてろうそくを立て全裸で」
「カセさんちょっと待って」

 幽々子様による尋問が始まりました。
 カセさんは衣替えを何かの儀式かと思っているのでしょうか。
 涼しくなってきたらまたカセさんのぎらぎらした衣替え目線を見れることが
 出来るのが楽しみです。
 うーん、いつ涼しくなるのでしょう。








2015/10/03
二年目228


「おや!」

 人里で珍しい物が売っていました。

 本日のおやつ
 ・フライドチキン

 なんと目の前でフライドチキンを揚げてる屋台があったのです。
 これは食べないといけません。
 既に屋台の前には長蛇の列ができていました。

「まだですかねまだですかね」

 わくわくしながら待っていると何人か前に
 私よりもわくわくしながら待っている人が居ました。

「あおうん! あおうん!」

 なにやら遠吠えをしていました。
 今泉さんです。
 今泉さんは遠吠えをしながらしっぽをぱたぱたして列に並んでいました。
 
 今泉さんはチキンを二つ買って両手で頬張っていました。
 私はなんとなく気まずかったので
 声をかけず、チキンを一つだけ買いました。
 頬張る今泉さんは少し意地汚く見えましたが
 今泉さん自体が美人なのでとてもかわいかったです。
 美人はご飯を食べるだけで絵になるので羨ましいです。
 私は絵になるのでしょうか。
 幽々子様に聞いてみましょう。



2015/10/04
二年目224


「Y子さん、牛の肉が食べたい」
「漠然としたご要望ですね」

 そんな会話が聞こえてきました。
 楽しみです。
 うふふ。
 そんな期待を持って晩ごはんに挑みました。

 本日のメニュー
 ・ジンギスカン
 ・焼き野菜

「わあ!」
「……」

 焼き肉でした!
 幽々子様と焼き肉ダンスを踊ろうと思いましたが
 幽々子様が乗り気じゃありませんでした。

「Y子さん最高です!」
「Y子さん……」
「やすかったんですもんラム肉」

 どうやら牛肉じゃなかったようです。
 匂いが確かに違います。

「私の牛肉の気持ちを返してよ」
「まあまあ、今度やりますので」
「幽々子様、これ美味しいですよ」
「妖夢はもう何回も言うのも面倒になってきたけどなんでも美味しいでしょ」

 でも美味しかったんです。
 ラム肉は牛肉よりしっかりしててご飯がより進みました。
 たまにはこういう焼き肉も良いです。
 ただあの鉄板は何なのでしょう。
 食後横になっている幽々子様のおなかみたいな鉄板でした。
 謎です。
 謎焼き肉ジンギスカンです。




2015/10/05
二年目225


 今日は家にずっと居ました。
 特に用事もなく外出も修行場だけです。

「幽々子様、せっかくなのでお菓子を作ろうと思います」
「…………がんばってね」

 非常に嫌そうな顔をしていました。
 Y子さんのおやつを食べられなくなるからでしょう。
 でもそんなんじゃいつまでたってもうまくなりません。
 私は頑張りました。

 本日のおやつ
 ・ベビーカステラ

「あら、あらまあ」
「あれ妖夢ちゃん」
「ふふん」
「なかなか美味しいじゃない」
「ですねえ幽々子様」
「やたっ!」

 なんと高評価でした!
 作ったかいがあります。
 Y子さんはいつもこんな気持だったのでしょう。
 羨ましい限りです。
 
「幽々子様、Y子さん、私のぶんも食べていいですよ」
「あら調子にのって」
「でも幽々子様、こういう時くらい」
「そうね。もらうわね妖夢」
「どうぞどうぞ」

 ……今思うと、もうちょっと食べても良かったです。
 うーん。
 次は自分ももっと食べます。
 



2015/10/06
二年目226


「わあ!」
「幽々子様、私もむいたんです」
「久しぶりねえ」
「幽々子様、むいたんです」

 私もむきました。
 

 本日のメニュー
 ・エビフライ
 ・メンチカツ
 ・シーザーサラダ
 ・しめじスープ

「エビフライはタルタルソースよね」
「そうですね、ソースをびしゃびしゃにつけて
 そこにタルタルソースをふんだんにつけると最高ですよね」
「……?」
「どうしたんですか?」
「なんでソースつけるの?」
「え、揚げ物にはソースかけるじゃないですか」
「ソースもかけてタルタルソースもつけるの?」
「はい」
「変なの」
「へ?」
「変なの妖夢」
「へ、変じゃないですよ」
「……」
「熱なんてないですよ!」

 おでこに手をやられました。
 変じゃないです。
 変じゃないですよね?
 変じゃないはずです。
 こんど鈴仙に聞いてみましょう。
 



2015/10/07
二年目227


「あ、幽々子様ー」

 お買い物から帰ってくると、庭に幽々子様が居ることに気付きました。
 手を振る幽々子様のもとに降り立つと、何故か顔に影がかかっていました。

「どうしたんですか」
「……妖夢の下着だっさい」

 これは怒っていいやつでした。

 本日のメニュー
 ・麻婆豆腐
 ・たまごウインナスープ
 ・チンゲンサイ炒め

「Y子さんカセさん、私は今怒っているんです」
「どうしたの妖夢ちゃん。麻婆豆腐辛すぎた?」
「どうしたの妖夢ちゃん。ウインナスープのウインナが少なかったの。分けてあげないけど」
「食べ物関係じゃありません!」

 二人に先ほどの幽々子様とのやり取りを説明しました。
 幽々子様はその間ずっとによによしていました。

「なるほど、妖夢ちゃんの言いたいことはわかったわ。で、カセさんどうなの」
「妖夢ちゃんの下着はねえ……う……」
「カセさん泣くほどですか?!」

 カセさんは嘘じゃなく涙を流していました。
 幽々子様はぷるぷる震えていました。

「Y子さん、ちょっと」
「うん…… あーこれは……うっ……」
「Y子さーん!」
「ぶふふっあははははひーひー」

 ちらっと見せたらY子さんも泣き始めました。
 幽々子様はついに爆発しました。




 三人にお説教しました。
 三人とも反省していませんでした。
 これは明日からも言い続ける必要があります。

 ……ださくないです。



2015/10/08
二年目228


「うえーい」

 魔理沙が来ました。

 本日のメニュー
 ・野菜炒め
 ・チャーハン
 
 ・もらったきのこのポタージュ
 
「おいチャーハンくれよ」
「嫌に決まってるでしょ」

 魔理沙が居る時に修行場でお弁当を食べると
 まわりをうろちょろしながらくれくれいうのでうざったいです。

「あ、これやるよ」
「なんですかこれ」
「うちの周りで生えてたきのこをポタージュにしたチャーハンくれ」
「要らないチャーハンはあげない」

 恐ろしい物を持っていました。

「良いから飲めって」
「嫌だって」
「良いから」
「おうっぷ……お腹を壊したらどうするんですかあれ美味しい」
「だろ?」

 しょうがないのでチャーハンを分けてあげました。
 思ったよりポタージュは美味しかったです。

「でもこれ大丈夫なの?」
「大丈夫だ。この前も食べたし」
「まあそれなら……」
「腹は壊したけどな」
「ふざけるな」

 とりあえず切っておきました。
 相変わらず逃げ足の早いやつです。
 お腹が不安なのでお手洗いに行ってきます。
 ……大丈夫ですよね?




2015/10/09
二年目229


 本日のメニュー
 ・ジャンバラヤ
 ・玉ねぎのおみそ汁
 ・ブロッコリーサラダ
 
 ・厚切りチャーシュー
 

「Y子さん、その、あの、紫からもらったチャーシューがあるんだけど……」
「あら美味しそうですね。……うーんでも、一応栄養とか考えて」
「……そうよねえ」
「……やめましょうか。せっかく美味しそうなのがあるんですもんね。
 今日のご飯は栄養云々を無視して食事しましょう」
「妖夢、Y子さんのお許しが出た所で食べるわよ」
「はい!」

 どちらが主人かわかりませんでした。

「とろけるわ」
「とろけますね」
「とろけるわね」
「とろける」

 チャーシューはいい感じにとろけていました。
 ぜいたくです。

「このジャンバラヤとも相性が最高ですね」
「そうよね妖夢。Y子さんはこれを狙ったのかもしれないわね」
「そんなことないけどそういうことにしときます」

 チャーシューはなんて美味しいのでしょう。
 ……ラーメンを食べたくなりました。
 きっとみんなそうなっていたに違いないです。
 明日のお昼はラーメンを食べに行きましょう。



2015/10/10
二年目230


「うえーい」

 また魔理沙が来ました!
 最高です!

 本日のおやつ
 ・ビーフジャーキー
 ・コーラ

「私は魔理沙を歓迎します」
「そうね、しょうがないわね」

 犬と魔理沙が来ました。
 この前来た時は子犬だったのにもうかなり大きくなっていました。*1
 動物の成長は早いものです。

「めんこいめんこい」
「かわいいかわいい。Y子さん、ジャーキー食べさせてもいいですよね」
「う、うーん。大丈夫なのかな?」
「人間の食べ物は塩分が強いから駄目だぜ。犬専用のお菓子を持ってきた」

 魔理沙は用意周到な女でした。
 手におやつを置いてやるとぺろぺろ舐めてくるので非常に可愛らしいです。

「わあ幽々子様見てください」
「次私、次私ね」

 幽々子様は鼻息がふがふがしていました。
 
「ああ愛おしいわねえ」
「そうですねえ」
「妖夢、犬のお菓子食べちゃ駄目よ」
「食べないですよ!」

 でも、ちょっとだけ興味ありました。
 ものすごくお腹が空いてたらちょっと食べてみたいです。


*1 2014/12/19 妖夢ちゃんごはん日記300



2015/10/12
二年目231


「ずぞぞぞ」
「妖夢ちゃん」
「すみません」

 おしゃれなカフェーに来ました。

 本日のメニュー
 ・ナポリタン
 ・トマトサラダ

 おしゃれなカフェーにY子さんとやってきました。
 おしゃれなので決してスパゲティをすすってはいけません。
 
「いい雰囲気ね」
「幽々子様も連れて来てあげたかったですね」
「まあ紫様ともっといいもの食べてるでしょ」
「それもそうですね。私達もたんのうしましょう」

 以前、咲夜と来た時は*1
 甘いものしか食べなかったので
 今回はスパゲティが食べられて良かったです。

「でもアリスさんのところの方が美味しいです」
「妖夢ちゃん、お店でそんなこといわないの」
「すみません」

 Y子さんは一切すすることなくスパゲティを食べていました。
 私も真似してみましたが、どうもたどたどしさが出てしまいます。

「なにか食事しただけなのに疲れましたー」
「妖夢ちゃんらしいわねえ」
「どういうことですか?」
「おしゃれな雰囲気が似合わないところとか」
「む、そんなことないですよ」
「おしゃれなこと言ってみて」
「……このアップルティ、とてもシャンゼリゼです」
「ぶふっ」
「Y子さん、カルボナーラをとばさないで下さい」
「すみません……ぶふっ」

 Y子さんはツボに入ったらしく激しく笑っていました。
 シャンゼリゼはどうやら地名のようです。
 覚えているかたかなを適当に使うのは危険です。
 相手がY子さんで良かったです。
 幽々子様だったら二時間はばかにされていました。
 気をつけることにしましょう。


*1 2015/05/10 妖夢ちゃんごはん日記二年目68




2015/10/12
二年目232


 珍しい人に出会いました。
 幸運が舞い込んできそうです。

 本日のおやつ
 ・よもぎ餅
 ・あんころ餅

「交換しない?」
「ぜひとも」

 てゐさんとお団子を交換しました。
 いつもは外の長椅子で食べるのですが、今日は風が冷たいのでお店の中で食べました。

「鈴仙とは仲良くやってる?」
「あいつは調子乗りです」
「くくくっ違いない」
「でも仲良くしてやってます。私の方がです」
「鈴仙も同じこと思ってそうだねえ」

 てゐさんはくすくす笑いながら
 私の分のお勘定もしてくれました。
 ここで、この前もおごってもらったことを思い出しました。*1

「あ、あの、前もおごってもらったので、今回は払いますよ」
「いいよいいよ。私と出会って幸運になっただろ?」
「は、はい」
「お前は半分だからこんなもん。遠慮せずに受け取ってちょうだい」

 相変わらずちっこいのに格好いい兎です。
 鈴仙もてゐさんを見習って欲しいです。
 相変わらずちっこいですが、てゐさんは素晴らしいです。
 相変わらずちっこいですが。


*1 2014/08/11 妖夢ちゃんごはん日記170



2015/10/13
二年目233


「戻りました」

 修行から帰って、お勝手に行きましたが誰も居ませんでした。

「幽々子様ー?」

 縁側にも行きましたが幽々子様は居ませんでした。
 はて誰も居ないかと思った時です。
 居間の方から声が聞こえてきました。

「とんてとんて」
「こ、この声は!」

 初速ダッシュを使い居間に急いで向かいました。

 本日のおやつ
 ・みかんゼリー
 ・ぶどうゼリー

「ああ、お姉さんこんにちは」

 こころちゃんが居ました!
 こころちゃんは愛くるしい表情でひらひらと舞を舞っていました。

「みなさんもここに居たのですね」
「妖夢、早く座りなさい。こころちゃんの舞の邪魔でしょ」
「失礼しました」

 ゼリーをたべたべこころちゃんの舞を見ることになりました。
 こころちゃんの舞はじっとみてると涙が溢れそうになったり笑いが零れそうになったり
 怒りがあふれそうになったりととても忙しかったです。

「ちゃん」

 拍手喝采です。
 幽々子様も満足そうに扇子をひらひらとしていました。

「こころちゃんこっちにおいでなさい。一緒にゼリーを食べましょう」
「わあい、いい匂いのするゆゆゆこさんだ」
「こ、こころちゃん、うへへ、ぶどうのもあるよ」
「ありがとうクールなお姉さん」

 カセさんがこころちゃんパワーで壊れていました。
 相変わらずこころちゃんは危険です。

「ところでセンスの良い扇子はいかが?」
「この前買ったこれも気に入っているのだけど、そろそろ新しいのもいいわねえ」*1
「じゃあ今度サンプルを持ってくるね! じゃあまた!」

 こころちゃんはしゃらんら踊りながら帰って行きました。
 名残惜しいですがしょうがないです。
 ……こころちゃんがもし詐欺師で、扇子を高値で売りつけてきても
 今の白玉楼ならころっと騙されそうです。
 こころちゃんは危険すぎます。

*1 2014/05/27 妖夢ちゃんごはん日記94


2015/10/14
二年目234


 本日のメニュー
 ・お好み焼き
 ・バターコーン

「ソースの匂いは食欲をそそられるわね」
「幽々子様、マヨネーズを早くぶちまけましょう」
「品がないわね妖夢」
「でも幽々子様、カセさんはもはや逆です」
「逆?」

 カセさんは小皿にマヨネーズをどぷどぷにして
 お好み焼きをそれにつけて食べていました。
 
「あれは素材に失礼な気がするわ」
「同感です」
「妖夢、私は新しいのを見つけたのよ」
「なんですか」
「からしマヨネーズよ」

 幽々子様はででんという効果音と共にからしマヨネーズを取り出しました。
 
「幽々子様! 私にもください」
「しょうがないわねえ。カセさんいる?」
「邪道」
「え?」
「邪道なんで要らないです」
「そ、そう……」
「……」
「妖夢、いる?」
「……やっぱ普通のマヨネーズにします」

 マヨネーズをつけてわっしわっし食べてるカセさんを見るだけでお腹いっぱいな一日でした。
 よく食べる人は見ていて気持ち良いです。




2015/10/15
二年目235


「わお」

 幽々子様がわおと可愛くびっくりしていました。

 本日のメニュー
 ・チャーシュー丼
 ・ツナサラダ

「チャーシュー丼もすごいけど、ツナサラダなんて良いわねえ」
「ツナをサラダにするなんてぜいたくです」
「妖夢はツナに何をするとぜいたくじゃないの?」
「……カレーですかね」
「それは単純にもったいないわね」

 カレーに何をかけてもカレーになる現象です。
 カレーは最強すぎます。

「Y子さん、こういうチャーシューとかって自分で作ってるの?」
「はい、時間がある時はこういうのやりたくなるんですよ」
「良いわねえ。明日は私がなにか作ろうかしら」
「え?!」

 Y子さんが激しく反応しました。

「ゆ、幽々子様、何か不満でも?」
「違うわよ。たまにはなにかやりたいなーって」
「そうですか……びっくりしました」
「Y子さん今日のチャーシューちょっと味薄いですね」
「や、やっぱり……」
「Y子さん、違うわよ」

 幽々子様に頬をけっこう本気でつねられました。
 タイミングが悪かったです。
 まだひりひりします。
 私のきめ細やかなお肌がひどく傷つきました。

 ……自画自賛しすぎました。
 




2015/10/16
二年目236


「なんて事態なの」

 幽々子様がお口をあんぐりと開けて驚愕していました。
 
 本日のメニュー
 ・ビッグソースカツ丼
 ・あぶらげのおみそ汁
 ・ちくわ煮

「もりもり」
「幽々子様、口がキャベツまみれですよ」

 幽々子様はキャベツをもりもりといっていました。
 お野菜を先に食べると脂肪の吸収をおさえるやつです。

「幽々子様、カツ丼はいいですね」
「もりろんよ。しかもそれがソースカツ丼であればもりもりといくしか無いわ」
「わかりますもりもり」

 もりもりとやりました。
 今日はカツ丼を堪能しました。
 でも、最近お肉が多いです。
 怖いです。
 お腹の肉が怖いです。
 お肉は多いと怖いです。
 おばけより怖いです。
 
 ……お肉はおばけより怖し、格言みたいです。




2015/10/17
二年目237


 寒くないでしょうか。
 最近寒すぎます。
 美鈴さんのところに行きましたが寒さで体があまり動かなかったです。

 本日のメニュー
 ・シュウマイ弁当
 
 ・もらった豚まん

「豚まんはほかほかでやばいです」
「ご飯食べたら組手もっかいやる?」
「もちろんです」

 ご飯を食べる前は寒すぎて体が動かず
 弾幕ごっこも組みてもいまいちでした。
 今度こそはと豚まんをもぐもぐ気合を入れ直しました!


 でも相変わらずイマイチでした。
 こういう日もあります。
 美鈴さんはいつも変わらずですごいなあ。
 


2015/10/18
二年目238


「おほほ」
「紫様! あ、なんでしたっけそれ」
「さあ、なんだったかしら。食べたい?」
「もちろんです!」

 紫様が来ました。
 おみやげ付きです。

 本日のメニュー
 ・けばぶ

「あ、なんだっけこれ。かぶりついて食べるのよね」


 幽々子様も思い出せずに居ました。
 においがきついですけど美味しいやつ、ということだけ覚えていました。

「幽々子様、なんでしたっけこれ」
「いいじゃない美味しいんだから」
「それもそうですね」
「妖夢、鼻の下になんか付いているわよ。とったげる」
「あ、ありがとうございま……へっぶす! 幽々子様、鼻の穴に指をつっこまないでくださへばぶ!」
「あ、けばぶよ妖夢」
「らっさぶ!」

 何故か幽々子様は私の鼻の穴をしつように攻めてきました。
 よくわからなかったですが、あの料理の名前を思い出せて良かったです。
 胸のつっかえが取れました。



2015/10/19
二年目239


 またY子さんのぱんつが私の所に来ました。
 たまにあります。
 カセさんはたまにボケます。

 本日のメニュー
 ・フランスパン
 ・ローストチキン
 ・パンプキンパイ
 
 ですが、食事中は何もいえませんでした。
 なぜならこの前怒られたからです。*1
 言いたいのに言えない苦しさがそこにありました。

「それでねY子さん、妖夢ったら鼻からスパゲティどころかしめじを出したのよ」
「ぶふっ」
「流石妖夢ちゃんね。カセさんが思わず鼻からかぼちゃを出すほどね」
「……」
「あれ、妖夢どうしたのよ。せっかく私が面白い話をしているのに」
「あ、あのですね、ぱ、ぱん……」
「ぱん?」
「ぱ、ぱん、美味しいですね」
「これ買ってきただけのやつだけど」
「ち、ちがうんです……ぱん、ぱん……」
「ぱん?」
「ぱんつきんぱいが……美味しいです」
「なにぱんつきんぱいって」

 言えませんでした。
 ご飯のあとに黙ってY子さんにパンツを返しました。
 何もいえませんでした。
 なにか消化不良なのでカセさんの部屋でこの話をしてきます。
 


*1 2015/02/05 妖夢ちゃんごはん日記346


2015/10/20
二年目240


「Y子さん今度こそ牛のお肉が食べたいわ」
「わかりました。今度はジンギスカンにしませんよ」*1

 幽々子様とY子さんが話しているのを聞いてしまいました。
 今日はお腹を空かせておく必要があります。

 本日のメニュー
 ・チーズハンバーグ
 ・焼きほうれん草
 ・焼きコーン
 ・オニオンスープ

「わあいハンバーグだ!」
「……」
「幽々子様、ハンバーグですよ」
「……Y子さん」
「牛肉じゃないですか。ひき肉が安かったんですよ」

 幽々子様は不服そうでした。
 気持ちはわかりますが、ちょっとぜいたくすぎる気もするのでY子さんを少しかばいました。

「幽々子様、でもハンバーグですよ。美味しいです」
「……かるび」
「うっ」
「ろーす、はらみ」
「……」
「あぶらほるもん」
「わ、Y子さん、私では幽々子様に敵いません!」
「全く弱いねえ妖夢ちゃんは。幽々子様」
「なによう」

 幽々子様はぷくっとふくれていました。

「幽々子様、ちょっとそのハンバーグ割ってみてください」
「……!」
「溢れ出る肉汁です。そしてお箸で一切れとって見てください」
「……お、おほほ」
「伸びるチーズにしたたり落ちる肉汁。幽々子様のもとに一直線ですよ」
「おいひい!」
「ふう」

 幽々子様の扱いが異常にうまいY子さんでした。
 ちょっと怖すぎるくらいにうまいです。
 見習いたいです。





*1 2015/10/04 妖夢ちゃんごはん日記二年目224


2015/10/21
二年目241


「しょんぼり」

 幽々子様がしょんぼりしていました。
 見るからにしょんぼりしています。

「どうしたんですかね幽々子様」
「なんでもお仕事の事で閻魔様に少し怒られたそうなのよ」
「珍しいですね」

 本日のメニュー
 ・元気カレー
 ・にっこりウインナー

「じゃあ今日は私が幽々子様に代わって私が。みなさん、お手を合わせて」
「はーい」
「いただきます」
「いただきます!」
「……いただきます」

 Y子さんの号令で晩ごはんが始まりました。
 めったにない光景です。
 Y子さんが料理の説明をしていきます。

「幽々子様、今日は元気カレーです。
 ごろごろお肉に野菜、どろどろのルウをいっぱいかけて
 ゆでたまごとブロッコリーをトッピングしています」
「……うん」
「あとは焼きじゃなくて揚げのロングウインナーです。どうですか?」
「……Y子さん」
「はい」
「ほいひー!」
「良かったです」

 幽々子様に笑顔が戻りました。
 流石はY子さんのご飯です。幸せのご飯です。

「カレーはやっぱそろそろしてないとね、ね、妖夢」
「もちろんです」
「野菜もごろごろしてないとね、Y子さん」
「そうですね。食べごたえありますもんね」
「ウインナーは美味しいわねカセさ」
「そうですね!」
「食い気味ねカセさん」

 幽々子様が元気になりました。
 さすがは元気カレー、Y子さんのカレーです!

 食べ過ぎてお腹がいたいです。
 私の元気は奪われたようです。
 恐るべき元気カレーです。




2015/10/22
二年目242


 本日のメニュー
 ・タルタルフライサンド
 ・ブロッコリーサラダ
 ・コンソメスープ

 本日のお昼はサンドウィッチでした。
 たまに食べるお昼ごパンは美味しいものです。
 修行場でもくもく食べた後、もう一度汗を流し白玉楼に戻りました。

「Y子さん、ごちそうさまでした」
「はーい」
「でもお腹すきました」
「え?」

 パンはお腹が空きやすいです。
 やはりお米は腹持ちがいいんですね。

「じゃあおやつは焼き芋にしましょうか」
「Y子さんひゅー!」

 ということで焼き芋がおやつでした!
 ですが、お芋は結構お腹にたまります。
 今度は晩ごはんがいまいち食べられませんでした。
 わがままなお腹です。困ったものです。


2015/10/23
二年目243


 なぞのお肉を食べました。

 本日のメニュー
 ・ししかばぶー
 ・なめたけやっこ
 ・アボカドサラダ
 
「なにこれY子さん」
「ししかばぶーです」
「へ? ねえ妖夢、いまY子さんなんて言った?」
「わかりませんが赤ちゃんみたいでした」
「Y子さん、もっかいいって」
「し、ししかばぶーです」
「妖夢」
「わかりませんでした」
「ねえY子さん」
「二人共からかってるんですか?」

 Y子さんがちょっと怖かったのでその後は幽々子様と最近の人里情勢について話しました。
 Y子さんでからかいすぎると怖いです。

「妖夢、お風呂?」
「はい」
「しし」
「かばぶー」

 先ほどの会話です。
 なんか、流行りそうです。


2015/10/24
二年目244


 今日はおやつを作っては食べ作っては食べの一日でした。

「安かったからバナナを大量に買ってきました」

 そんなY子さんのセリフから始まりました。
 そして美味しいバナナミルク選手権が始まったのです。

「妖夢、それなに?」
「イチゴです」
「はあ」
「どうしたんですかため息をついて」
「そんなの美味しいに決まってるじゃない。妖夢はわかってないわねえ」
「む、幽々子様それはなんですか?」
「きなことあんこよ」
「あ、新しい発想なのに美味しそうです!」
「Y子さんとカセさんのも見てみましょう」

 作っている二人の元へ向かいました。

「Y子さん、それは」
「ヨーグルトです。パフェーみたいでいいかなあと」

 さすがはY子さんです。
 この時点ですごく食べるのは楽しみでした。

「カセさん、何を混ぜているのですか?」
「マヨネーズ」
「え?」
「マヨネーズ」

 本日のおやつ
 ・イチゴバナナミルク
 ・きな粉あんこバナナミルク
 ・ヨーグルトバナナミルク
 ・マヨネーズバナナミルク

「……意外に美味しい」
「えっ」

 カセさんのマヨネーズバナナミルクを飲んだ時のY子さんの反応です。
 
「Y子さん、カセさんにわいろ貰ってるとかじゃなくて?」
「何言ってるんですか幽々子様」
「えー妖夢飲んでみてよ」
「……はい」

 意外に美味しかったのです。

「なんというか、バナナの甘さとちょっと酸っぱめのマヨネーズのそれが合わさって
 なんかそれっぽく美味しいです」
「……そんなに言うなら」

 幽々子様も飲んでみました。
 何故か笑っていました。

「くふふ」
「どうですか?」
「くふふふ、まずくない」

 なぜか幽々子様はツボにはまっていました。
 面白い主人です。

 選手権の結果は以下の通りになりました。

 1.マヨネーズバナナミルク
 2.きな粉あんこバナナミルク
 3.ヨーグルトバナナミルク
 4.イチゴバナナミルク

 私のは「つまらない」とかの理由で再会になりました。
 美味しかったのに、残念です。





2015/10/25
二年目245


「さぶぶぶぶ」

 なぜか非常に寒い一日でした!

 本日のメニュー
 ・おでん
 ・ふかしじゃがいも

「妖夢、どう思う?」
「Y子さんと結婚したいです」
「私も」
「二人共気持ち悪いですよ」

 こんな寒い日に即座におでんをやってくれるY子さんです。
 Y子さんが天使に見えました。
 幽霊ですけど。

「妖夢、おでんはこうからしをね」
「そうですね幽々子様、からしをこうですよね」
「うにゅにゅ、ってね」
「それでぱくっとですね」

「Y子さん」
「なにカセさん」
「あの二人なんか気持ち悪くない?」
「うん」

 Y子さんとカセさんが何やらもにゃもにゃ言っていましたが
 寒い日にあったかいものを食べられるってことは幸せなんだなあと
 おでんと一緒にかみしめた一日でした。
 そろそろ上着を出しとかないといけないです。



2015/10/26
二年目246


 寒くなってきたなと思ったらやっぱり衣替えが始まりました。
 カセさんが一年で一番イキイキする時です。

 本日のおやつ
 ・チョコチップクッキー
 ・ホットミルク

「Y子さん、カセさんは?」
「今日はいらないそうです」
「んもう仕方ないわねえ」

 といいながら幽々子様はクッキーの数を数えていました。
 いやしい主人です。

「幽々子様、さくさくで牛乳との相性とも最高ですよ」
「ほんとだ」
「だしょ」
「だしょってY子さん」

 ともかくクッキーは最高でした。

「あれ妖夢、何枚食べた?」
「八枚ですけど」
「ちょっと食べ過ぎよ。せっかくカセさんのを残しておこうと思ったのに」
「え」

 さっき数えていたのはちゃんと四人分に分けるために数えていたようです。
 いやしいのは私だったようです。




 へこみます。





2015/10/27
二年目247


 ・スペシャルとんかつミルフィーユ
 ・山盛りキャベツ

「発表があります」
「いただきますの前に何よY子さん。私はもうよだれが大洪水なのよ」
「このとんかつは」
「うん」
「ミルフィーユです」
「……な」
「何ですって!」

 思わず幽々子と驚いていました。
 カセさんは口を開いて目を見開いていました。
 驚いています。

「ところでとんかつのミルフィーユってどういうことですか?」
「妖夢何言ってるのよとんかつのミルフィーユって言うんだからこうなんというか
 ミルフィーユ状になっているのよ」
「つまりどういうことですか?」
「カセさん」
「なんか重ねってるんじゃないの?」

 先陣をきって幽々子様がとんかつにかぶりつきました。

「んー! ぽいぴー!」

 美味しいのはわかりました。
 私とカセさんもあわせていきました。

「うはあ」
「美味しいですね」

 なんと薄い豚肉の中にチーズやトマトが挟まっていました。
 ミルフィーユとは薄い層のあつまりのことだそうです。

「Y子さん天才ね」
「そうですね」
「本当にそう思います」

 絶賛の嵐の晩ごはんでした。



2015/10/28
二年目248


 幽々子様と花火を見に行きました。
 あの伊吹の鬼が張り切っているようです。

 本日のメニュー
 ・フランクフルト
 ・たこ焼き

「お祭りみたいですね!」
「花火があるんだからこれはお祭りよ、妖夢」

 人里には出店がちょっただけ出ていました。
 普段のお祭りよりは少なめです。
 急だったからでしょうか。

「幽々子様、私も着物を着たかったです」
「似合わないのに?」
「似合わないのにです!」

 私はもうちょっとお肉がつけば似合うと言われます。
 でも嫌です。
 幽々子様は似合います。
 つまりそういうことです。

「妖夢、いっぱい食べなさい」
「はい、もしゃもしゃ」

 花火を見ながら食べるたこ焼きは最高でしたが
 少し寒かったです。
 来年の夏までばいばい花火です。




2015/10/29
二年目249


 本日のおやつ
 ・水ようかん

「もう最後ですよ」
「悲しくなるわねえ」

 最後の水ようかんです。
 幽々子様も名残惜しそうにちびちびとやっていました。

「夏の風物詩もおしまいね」
「そうですね。幽々子様、でも冬は冬でいいじゃないですか」
「そうね、私芋ようかんがいいわ」
「いいですよねねちっこいの」

 白玉楼では夏はさっぱりようかん冬はねちっこいようかんと決めています。
 これからはねちっこいようかんがおやつに出てきます。
 嬉しいです。
 渋めのお茶と合うんです。

「二人共、名残惜しそうなところ悪いんですが」
「なあにY子さん」
「芋ようかん買ってきたんですけど食べます」
「もちろんです!」
「あたりまえじゃない!」

 準備の良いY子さんです。
 またねとひさしぶりを一度に味わえた一日でした。
 




2015/10/30
二年目250


「あわわわわ」

 幽々子様がY子さんと話しながらうろたえていました。
 何があったかと訪ねてみました。

「一番美味しいやつよ」

 本日のおやつ
 ・ショートケーキ
 
「やったあ……やったあ……」
「幽々子様、妖夢ちゃんの喜び方がなんか面白いです」
「本当ね」
「美味しそう……食べたい……」
「気持ち悪いですね」
「気持ち悪いわね」

 ショートケーキというのは最高です。
 なぜならケーキの中で最高はショートケーキだからです。
 最高です。
 一番高いです。

「まあそんだけ嬉しがってくれるなら買ってきたかいがあるわ。
 高かったのよ」

 やっぱり高かったです。
 高いものは美味しい。
 この世の真理でした。
 
 


2015/10/31
二年目251


 寒い日が続きます。
 私はカセさんがおろしてくれた新しいコートを着ました。
 修行場までの道のりは非常にあったかいものになりました。

 本日のおやつ
 ・石焼きじゃがいも

 じゃがいもはどうやってもおいしいです。
 ふかしても焼いても美味しいです。

「マヨをでゅるる」
「妖夢が肥満への道を一歩一歩進んでいくわね」

 聞かないふりをしました。
 だっておいもは美味しんです。
 
「……カセさん」
「ん?」

 カセさんはおいもよりもマヨネーズの比率の方が多かったです。
 3対7くらいでした。
 もはやマヨネーズのおいも添えです。
 ……なぜカセさんは偏食なのに太らないのでしょう。
 今度秘訣を聞いてみます。